吉田 統彦(よしだ つねひこ) <プロフィール>
東海高校を経て名古屋大学医学部卒、同大学院修了。前衆議院議員。眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。
日本のMedical Tourismの可能性の一つに挙げられるのは
“健康観光(健康長寿観光、予防医療観光、抗加齢医学観光)”ではないでしょうか?
私自身、日本抗加齢医学会の評議員を拝命しておりますが、
老化こそが万病のもとであるとともに、
国民が病気になることで国家の医療費は膨らみます。
健康で長生きする事、寿命まで健康に生きること、
もっと言えばピンピンコロリが理想ではないでしょうか?
であればこそ健康寿命の延伸は国家戦略として極めて重要であるとともに、
殆どの国民が望むものであると思います。
それは国内外問わず同じであると思います。
幸いにも日本には様々なモノづくりや技術のほかにも
健康や長寿のイメージがあり、
安全やおもてなしについても国際的に高い評価を得ています。
これらのクールジャパンの一環である
日本の誇る見えない資産を最大限に活用して、
“健康”もしくは”健康長寿“”未病“をテーマとした
訪日旅行提案を積極的に行うことで、
新興国の富裕層など健康意識が高い人々を呼び込み、
Medical Tourism潜在層として育てる戦略は有望ではないでしょうか?
この”健康観光(健康長寿観光、予防医療観光、抗加齢医学観光)“
とでもいうべき未病をテーマとする新しいMedical Tourismの提案は、
病気でない方をターゲットにすることもあり、
それこそ非常に魅力のある国である日本で
本当の観光を楽しむこととセットでの提案には相当な魅力があると思います。
別の視点からいえば、Medical Touristが自己負担で健診や治療を受ける場合、
自国で受けるよりもはるかに満足度の高い検査や治療を求めることになります。
これは日本の各医療機関がMedical Touristに対して、
レベルが高く満足度の高い医療を提供できる環境を整えることに繋がります。
それは結果としてまだまだ健診や人間ドックの受診率が低く、
予防医療に対する意識が十分であるとは言えない
日本国民の受診促進に繋がる
医療機関受診時の満足度向上をも実現すると考えられます。
これはタイのMedical Tourismが自国民を置き去りにしていると批判されるのとは
逆の評価を受ける事にも繋がります。
例えば、元来日本の健診は
予防医学という考え方に基づいて設計された独自性があるものであることに加えて、
先進的な医療機器を用いた画像診断や東洋医学から遺伝子診断まで含めた
集学的な学問としての抗加齢医学を加えたものにすることで、
健康長寿という観点であれば
Medical Tourismにおいて十分に競争力を持ちうるのではないでしょうか?
次稿以降では、私の経験した海外ボランティアの経験をご紹介し、
日本が果たすべき役割や日本の医療の更なる可能性なども考察していきたいと思います。
元衆議院議員 医師 吉田統彦拝
日本を世界の病院にする~吉田先生のロマン