今年度のセンター試験も終わり、
国公立受験組は情報集めから出願校決定、
2次試験対策と忙しく過ごしていることと思います。高校2年生の諸君は、1年後に入試を控え、
本格的な受験勉強を開始する時期ではないでしょうか。
以下では、昨年に続き、センター試験数学の分析をします。
来年度以降に受験を予定している人は、今後の学習の参考にしてください。【数学ⅠA】
全体的に昨年度より難化。
新教育課程初年度ということで昨年度が簡単すぎただけ、
という気がしますが、
それに照準を合わせすぎた受験生にとっては厳しかったようです。
また、問題構成が昨年度から変化しましたが、
それはあまり影響がなかったようです。
それでは、今年度の問題の特徴を挙げていきましょう。
①図形問題の難化…第2問〔1〕『三角比と図形』、第5問『平面図形』
昨年度は簡単だった『三角比と図形』が標準レベルの問題になりました。
必答問題だけに避けて通れないので、
図形が苦手な人も最低限の思考力はつける必要があります。
第5問も難化し、来年度以降、数学Aのどの問題を選択するかに影響しそうです。
②新教育課程の単元
第3問『条件付き確率』、第4問『n進法』は昨年度は出題されませんでしたが、
新教育課程固有の分野として出題が予想できたので、
真面目に学習している受験生はしっかり準備できていたはず。
難易度としては、“型通り”と言えるので、
来年度以降の受験生は、とりあえずこのくらいを目標にしてみましょう。
ただし、さらに難化することも考えられるので要注意。
③目新しい問題…第1問〔1〕1次関数の最大最小、〔2〕集合の記号
内容的には難しいわけではありませんが、
過去問演習だけで済ませてきた受験生は困ったかもしれません。
【数学ⅡB】
異常に難しかった昨年度と比べれば平均点は上がりましたが、
それでも難しかったようです。量や問題構成は昨年度と同じ。
問題を個別に見れば、①第2問『微積分』の後半が面倒。
②第1問『指数関数・対数関数のグラフ』があまり目新しい。
③第3問『群数列』の後半で普段と異なるためミスをしやすい。などが特徴。
ただ、この程度の変化は想定内で、
入試用の標準的な問題集を1冊しっかり取り組んでいれば、
十分対応できるはずです。
他の教科に関しても言えることですが、近年、センター試験を作成する側は、
「センター試験対策」のみに終始している受験生の予想を裏切る意図があるようにさえ感じられます。
「入試直前に過去問をたくさん解けば何とかなるだろう」という甘い考えは捨てて、
入試1年前のこの時期からしっかり学習していきましょう。
数学&化学の実力派講師の最右翼/吉野由宏