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  • プリティ中野の受験生時代19
  • 8月上旬から始めた本格的な受験勉強。

    生まれて初めて必死になって取り組んだ勉強。

    自転車のハンドルに単語カードを貼って危ない目にあい

    トイレの壁に貼った日本史と文学史の年表は書き込みで判読できなくなり

    自室の天井に紙に大書した必須事項を貼って深夜に懐中電灯で照らしだし

    単語帳はバラバラにしてサランラップで巻いて浴室に持ち込んで

    山川の日本史教科書は満身創痍の帰還兵のようになるまで

    やってやってやりまくった半年間。

    いったい何が自分を駆り立てていたのか。

    志望校に合格すること

    親に余計な負担をかけないこと

    お前に現役合格はないと言った教師の鼻を明かしてやりたかったこと

    早く大学に入ってカノジョをつくりたかったこと

    そのカノジョと鴨川べりでデートしたかったこと

    もっと大きな自由がほしかったこと

    早く文学を学んでみたかったこと

    自分に勝ちたかったこと

    どこまで頑張れるか自分を試してみたかったこと

    いずれリングを降りるのだから今のうちに頑張っておこうと思ったこと

    友人たちを驚かせてやりたかったこと

    ストイックな毎日を送ることは思いのほか気持ちよかったこと

    ちょっとでもスゴイ奴になりたかったこと

    ちょっとでもスゴイ奴だと思われたかったこと

    京都に憧れていたこと

    新しい世界に早く飛び込みたかったこと

    フラフラになるまで勉強していると「生きてる」って感じがしたこと

    結局、もっと「生きたい」と思ったんだな。

    もっと充実した「生」を送りたいと思ったんだな。

    17歳の僕にとって受験は「生」の充実度を高める加圧器だったんだな。

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