徐々に夏の到来を感じさせる暑さが顔を見せ始め、
いよいよ入梅といった折、皆さんいかがお過ごしですか?
僕は来年の1月上旬に行われるCBTの勉強を始めたところです。
(と言っても周りが既に相当量をこなしているのを見て焦ってかじり始めた程度ですが)
さて、今回はこのCBTを含め、在学中に医学生が乗り越えなければならない関門や、
大学で学ぶ学問についてお話ししたいと思います。
多くの国公立医学部では1年生のうちは数学や化学など教養科目ばかりで、
専門科目の講義はあまりありません。
まだまだ高校の勉強の延長といった感じです。
僕の通う名古屋大学では1年生の週22コマの授業のうち、
専門科目はなんとたった1科目です!
教養科目ばかり受けている1年生のうちは医学部に入ったという実感は皆無です。
ときたま行われる医学実習も、
高校生の時にオープンキャンパスなどで見学したことのおさらいのようにしか感じられません。
学期は2学期制で、それぞれの期末にテストかレポートがあります。
多くの大学ではすべての単位を取らないと進級できないようです。。。
(名古屋大学ではいくつ落としても2年生に上がることが出来ます!)
2~4年生では専門科目の講義が増え、他の学部との合同の授業などはなくなり、
医学部のみで受講することになります。
医学部の専門科目は大きく分けて基礎医学、臨床医学、社会医学の3つがあります。
それぞれに含まれる学問の具体例を言えば、
順に生化学、循環器内科学、公衆衛生学などがあります。
各授業は学期ごとに区切られておらず、
前の科目の授業が追わったら次の授業が始まるといった具合です。
各授業の終わりにはテストかレポートが設けられているのは教養科目と変わりありませんが、
実習が設けられている科目もあります。
実習は多くは全出席で、与えられた課題をこなすことで単位が認定されます。
授業と単位に関しては以上です。
次に試験についてですが、これまで述べてきた通り、
各授業の終わりにあるテスト以外に特別なテストが設けられています。
4年生の1月に行われるCBT’(Computer Based Test)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)、
そして6年生の2月に行われる医師国家試験の3つです。
CBTではそれまで受けてきた1年生の教養科目から2~4年生の専門科目のすべてが出題範囲です。
恐らく量だけで言えば大学受験よりもはるかに多いですね。
ただComputer based test と言われる通り、
コンピューターに表示された選択肢を選ぶ選択問題なので、
記述対策が要らないというところがせめてもの救いです。
またこのCBTから約1か月でOSCEがやってきます。
これは日本語では客観的臨床能力試験と言われています。
医学部で5年次から行われる臨床実習に参加するに十分な臨床能力を身に着けているかを判断するテストで、
簡単に言えば実技のテストです。
名古屋大学では2年生を模擬患者として医者として簡単な模擬医療行為を行います。
僕が2年生のときにOSCEで模擬診察してくれた先輩方の中に知り合いが多くいらっしゃったので
何だか変な感じがしたのを覚えていますが、
今度は僕が実技をテストされるかと思うと緊張します。。。
CBTとOSCEの二つのテストをパスしないと、
5年生から行われる臨床実習は受けることが出来ません。
さて、最後となりましたが、6年生の2月に行われる医師国家試験についてです。
これは意外にも実技のテストはなく知識のみが問われるテストなのですが、
実技の手順などは聞かれるので結局は実技が出来ないと受かりません。
もちろんですが出題範囲は6年間で学んだすべてです。
膨大な量なので勉強には非常に長い時間を要しますが、
大学受験とは違い、自分のやりたかったことのみがテストで出題されるわけですし、
すでに就職先(=研修先の病院)も決まっている段階ですので、モチベーションはみな相当高いようです。
あと2年後に国試が迫っていて、あと3年後には医者になっているかと思うと(順当にいけばの話ですが…)
いつまでも学生気分ではいられないなと痛感させられます。
今回は医学生の受ける授業やテストなどについて話してきました!
多少なりとも自分の入りたい学部の具体的なコースについて知っていると
より自分の志望がはっきりしてくると思いますので、
医学部に入りたい受験生の方々は僕たちチューターに聞いてください。
お待ちしてます!
名古屋大学医学部医学科4年 花城勇人