冷え込んだかと思うと最高気温が20℃を超える日々が再び到来するというはた迷惑な天候が続いています。
体調を崩しやすい天候ですので体調管理には特にご注意ください。
さて、前回はインフルエンザについて語ってきましたが、
今日からは各科ごとに特徴をおさえていきたい思います。
記念すべき第一回の今回は皮膚科について触れていきたいと思います!
(僕が最近皮膚科を勉強したから取り上げたのであって、
医学部の授業で学ぶ順番とは全く関係ないということをここに申しあげておきます。)
まず、皮膚の構造について、なるべく高校生物の内容でわかるように説明していきます。
皮膚は外表面から順に、表皮、真皮、皮下組織の3層からなります。
表皮が外胚葉由来、真皮が中胚葉由来というのは高校生物で必ず押さえておきたい知識ですね。
表皮は主に角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層からなり、その下には基底膜があります。
角層という単語は美容関連商品のCMでおなじみのものかもしれませんが、
これは皮膚の細胞の死骸が互いに結合したものを指します。
角層に含まれている細胞はやがて皮膚表面からはがれていってしまいますが、
日常生活ではこれを「あか」と呼んでいますね。
また、基底膜には皮膚の幹細胞があり、角層からはがれた分の細胞を皮膚へ供給しています。
顆粒層、有棘層などの名前は大学範囲ですが、
それ以外のところは高校範囲なので押さえておきたいですね。
また、表皮にはメラノサイトという細胞が存在し、
名前の通りメラニンを産生しています。
加齢とともにホルモンバランスが崩れてくると、
メラノサイトにおけるメラニンの産生が過剰になります。
これが「シミ」の原因になるわけです。
ここまでの話だとメラノサイトはただの女性の敵でしかありませんが、
実はいいこともしているのです。
そもそもメラニンは皮膚から進入する紫外線を自身が吸収して、
他の組織が紫外線によりダメージを受けるのを防いでいるのです。
その証拠に有色人種では皮膚ガンは少なく、
逆に白色人種は皮膚ガンが多いというデータが有ります。
日差しが強い地域に住む白色人種の間では皮膚ガンは非常に多い病気であり、
例えばオーストラリアなどでは国をあげて対策していますよね。
シミの原因にもなりますが意外と憎めない、メラニンはそんなやつです。
さて、そろそろ有名な皮膚科の病気について触れていきたいと思います。
今回取り上げるのはアトピー性皮膚炎です。
この病気は皮膚のバリア機能に異常が生じ、
抗原や刺激が侵入しやすくなることで起こる湿疹を主訴とする病気です。
乾燥する冬に症状が悪くなることが多く、湿疹には痒みを伴います。
この湿疹は掻くと白くなり、アトピー性皮膚炎を他の病気と鑑別するときに検査として用いられます。
アトピー性皮膚炎と聞くと、
一般には皮膚に湿疹が生じて辛い病気であり、
あまり怖い病気だとは思われていませんが、
合併症として白内障や網膜剥離など失明を来す恐れのある病気なのです。
もちろん目に直接起こる他の病気よりも失明の確率はずっと低いですが、
病気について正しく理解しておくことが大切であることを教えてくれる一例です。
次回は眼科の話をしていきたいと思います。
それではまたお会いしましょう。
名古屋大学医学部医学科4年花城勇人
ここはご存知USJ。 花城君のフェイバリットデートスポットです!
この視線の先にいるのは誰だ? プリティ中野か?
いつも以上に優しいまなざしの理由は? となりに誰がいるのかな? プリティ中野ですか?