廊下の端から端まで駆けて
K先生の傍らに立つと
開口一番「中野、どうしたの?」
そう言った彼女の眼は笑っていた。
「どうしたのって・・・。先生、僕はいたって正常な男子高校生です」
「いや、そうとも言えないね。実力テストの結果が異常だったわよ」
「え? 異常なほど悪かったですか?」
「それならむしろ正常」
「・・・ど、どういう意味ですか?」
「いや、悪かった。実力テストが私立文系で3番だったんだよ」
「・・・し、下から数えてですね?」
先生は首を横に振った。
固唾を飲む僕。
沈黙。
地球の自転も公転も止まったような気がした。
「中野は現代文だけなら全系統で1番、私立文系では総合3番だったの。
もちろん上から数えて」
「・・・無言」
「ハハハ、声に出したら無言じゃなくなるやん」
プリティ中野