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  • プリティ中野の受験生時代2
  • 8月初旬から翌年2月中旬の本番まで約半年。

    この半年間で何ができるか、と考えることは

    同時に現実を直視することでもあった。

    進級会議にひっかかりながらもなんとか上がった3年生。

    出会い頭の4月校内模試で私立文系型180人中173番。

    英語は『5文型』や『品詞』『節と句』などからやり直さなければならないレベル。

    当然、単語力も惨憺たる状態で、たとえばindividual を覚えるのに

    「インド美人ある~インド美人は個々に美しいアルね」

    と謎の中国人風に語呂合わせしなければ頭が受け付けなかった。

    目がアルファベットをはじく感覚。

    自分の眼球には特殊なサランラップが張られているのかと思ったりした。

    古典については頭の中が「春はあけぼの」のまま時間が止まっていた。

    救いは現代文が読めたことと、日本史が好きだったこと。

    バレーボールにかまけて学校の勉強はほとんど手をつけずにきた私だったが

    下村胡人の『次郎物語』に夢中になった小学2年生以来の読書好きは続いていて

    芥川や太宰、ヘッセ、ジッド、ロランなどが枕元にいつもあり

    中でもロランの『ジャン・クリストフ』は大のお気に入りだった。

    将来は作家になると決めていた。

    進学するのは文学部と決めていた。(続く)

    プリティ中野

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