吉田 統彦(よしだ つねひこ) <プロフィール>
東海高校を経て名古屋大学医学部卒、同大学院修了。前衆議院議員。眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。
本稿では次なる処方箋として抜本的な改革になりますが、
開業に関する要件、
つまり開業するための許認可制度(免許等)について考察していきましょう。
勤務医師数と開業医師数を厳密に統制したければ、
新規に開業する医師数をコントロールすれば良いのは自明の理です。
つまり医療機関を開業する為の新たな許認可制度を設計するという事です。
実際には以下の二通りの規制及び許認可の仕方があると思います。
1:全国共通で医療機関を開業する事自体の許認可制度を新たに設ける。
2:地域毎(例えば自治体単位、県単位もしくは医療圏毎)で医療機関を開業する事に対する新たな許認可制度を設ける。
2 の方が医療過疎地域を含めた、医師の偏在対策になりうるかもしれません。
しかしこの場合、監督及び管轄はどのように行われるかという事が極めて重要になります。
また医療機関継承の場合はどのようにするのか?等の課題も残ります。
加えて実際の許認可の要件として何を求めるのか?
医学的な知識や技術もしくは手術等の経験や各種専門医の取得状態等を求めるのか?
それとも試験を行うのか?
試験を行う場合、各標榜科の学会や医会の関与をどの程度とするか?
内容は開業医に必要な医療政策と保険制度への理解も含むのか?
また都道府県、自治体等の行政や各自治体医師会及び都道府県医師会等による関与、
例えば面接(interview)等は必要であるのか?
等も含めた慎重な制度設計が求められます。
加えて開業の許認可制度を設けるという事は、
また逆に停止および取消要件も設定されるという事になり、
それが真に国民の為の医療を実現する事に直結するようなものにする必要があります。
以上6回に渡り、
新設医大及び医学部定員増加政策を
本当に国民そして医療崩壊を食い止めるものにする為の処方箋
および現状のままの医師数でも医療崩壊を食い止める為の処方箋について献策してまいりました。
元衆議院議員 医師 吉田統彦拝
『未来の医師養成講座』~浜松北高校から愛知医科大学医学部医学科に進学する西澤友理恵さんと吉田先生