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  • 安達雄大の受験雑考その七

  • 国語・小論文担当の安達雄大です。

    「現代文では、段落ごとに要約するんだよ」
    ・・・という教え方を、よく聞きます。

    まったくもって、その通りだと思います。
    要約・・・これはモノが読めたかどうかの決定的なキメ手になる作業ですから、
    モノを読んでいる間はずっと意識し続けてほしいことです。

    「要約できている」ということは「読めている」ことだ・・・とまで言ってもいいかもしれませんね。
    そして、要約の単位の一つの目安ということを考えるなら、
    「形式段落ごとに・・・」という発想はさしあたりはかなり有効だと思います。
    筆者は「形式段落ごとに」話をしている傾向が強いですから。

    では、「形式段落ごとに」要約をしていけば文章が読めたことになるのか?
    いつだってそう言っていいか?
    ・・・と考えた途端に、いろいろな問題が出てきてしまいます。

    まずひとつ。
    「形式段落ごとに」話をしていないる筆者は、たくさんいます。
    あるいは、「形式段落」を自らの語りのリズムに即してものすごく恣意的に使っている筆者がいます。
    どのみち、「意味の変わり目で形式段落が変わる」という想定が
    全く意味を持たないような文章がとてもたくさんあります。
    形式段落を変えたのに、話は変わっていない・・・という筆者。
    あるいは、形式段落を変えていないのに、話を途中で変える・・・という筆者。
    そういう人は、たくさんいます。

    ところで、形式段落が変わっても、
    話は変わらない文章を、「形式段落ごとに」読んだら、どうなりますか?
    結果としては、同じ要約を何度も繰り返すという「ムダ」を生むことになります。
    現代文で制限時間に苦しむ君たちにとって、そういう「ムダ」は省きたいところでしょう。
    形式段落が変わっていないのに、
    話は変わっているという文章を「形式段落ごとに」読んだら、どうなりますか?
    結果は、ムダを通り越して「読解失敗」です。
    形式段落内に二つの事柄があったのに、
    それをひとつとして捉えてしまった時点で、
    捉えるべき情報を逃したことになります。

    もうひとつ。
    仮に、筆者は「形式段落ごとに」話をしていますが、
    文章全体として見るなら、筆者は「形式段落の」話をしているとは言えません。
    筆者は「文章」全体で一つのメッセージを放っているのであって、
    「形式段落」は「文章」という全体の構成要素なんですね。

    つまり、「形式段落」が変わるたびにメッセージそのものを変えているわけではありません。
    「形式段落」の移り変わるたびに変わっているのは、
    一つの全体としての議論の、段階であって、
    メッセージそのものではない・・・と言えばいいでしょうか。
    ・・・ということは、「形式段落」ごとに要約することを心がけつつ、
    「ひとつの全体的主張」に向けて、
    「形式段落」間のつながりもまた考えなければいけないわけです。

    ところが、「ごとに」が強すぎると、
    この「間で」という意識が抜け落ちてしまい、
    ただ脈絡もない要約の断片が、
    形式段落の数だけ浮遊している・・・そんな読解になってしまうわけです。
    段落と段落との間のつながりも、同時に大事にしてください。

    形式段落を超えたつながり。
    そして、形式段落内での切れ目。
    こうしたことも、僕らが大事にしなければいけないわけです。
    おそらくは、そういう段になると、
    「形式段落」ではない「意味段落」という発想が大事になります。
    意味段落は、目に見えないものですから、自分で見つけなければいけません。
    意味段落を捉えるということについては、いろいろな構え方がありますので、
    お読みになっている君たち自身で、いろいろ模索してください。
    君たちの先生が、それぞれにヒントをくれると思います。

    ともあれ、ここで言いたかったことは、「形式段落ごとの要約は絶対大事。
    でも、そればかりにとらわれると、ムダしたり読み逃したりするよ~?」ということです。
    では、今日はこの辺で。

    2015年02月21日 記

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